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果てなき場 ~ boundless field ~ ①

第3章 展開

姫はゼルバがパジャマに着替えるのを気にも留めないで見ていた.
ゼルバの身体を美しいと思った.
ゼルバは姫のほうをみるとネグリジェは全体が薄っすらと透けていて豊かなにふくらんだ胸のあたりからピンク色の乳首が透けて見える.
「良子 明かりを落としてもらえないか」
「わかりました 就寝モウドにします 就寝灯は白色と電球色どちらにしますか」
「その違いを教えてくれないか」
「電球色は光の色があなたがたのランプに近い色です」
「それでは白色を」
「わかりました」
「姫 それではそろそろ眠りにつくことにしましょう」
「良子 また明日いろいろ教えてほしい」
「わかりました おやすみなさい」
「良子 助けてくれて ありがとう おやすみ良子」
「それが わたしの仕事です おやすみなさい 姫」
ゼルバには気の遠くなるような長い一日に思えた.
セミダブルのベッドは一人で寝るには十分ゆったりしている.
〈行き場を失ってなんのあてもなく神の宮殿に逃れたにすぎなかったが 神の宮殿がラビリアとゆう この星ニアスより光の速さで二百五十万年も隔てた地球とゆう星の超人類の住居だったとは誰が想うだろう 今日の昼には絶望のなかでバザラギリをふるってエブル公の騎兵と戦っていたのに 夜には超人類のパジャマを着てそのベッドに横になっているとはなんも不思議なことがあるものだ わたしひとりのことならこの身がどうなろうと覚悟はある ただ姫を守れないことになっていたら きっと未練が残ってしまったかもしれない まだわたしには運があるのだろうか……〉
とりとめのないことを思いながらいつのまにかゼルバは眠りに落ちた.
姫はベッドに横たわりながら眠らずにいた.
〈ゼルバさまはお眠りになってしまったのかしら ゼルバさまがお助けしてくださらなかったら わたしは今こうして生きてはいなっかだろうし 良子に会わなかったらきっと行き場を失って死ぬことを願っていただろう ゼルバさまの足でまといになるほかに何もできないわたくしのためにあの方が困るようなことにならなくて本当に良かった〉

姫はある覚悟をしてベッドからおきあがりゼルバのベッドに近ずいた.
ゼルバの掛けているなにでできているかわからない光沢があってしなやかで極めて軽い夜具をそっとめくるとゼルバの横に添うようにしてゼルバの胸に顔を埋めた.





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