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果てなき場 ~ boundless field ~ ①

第1章 反逆

「姫 エブルは帝家を横領しやがて帝位につくでしょう そうなれば わたしたちは帝国のうちには寸地も生きられる場所はないでしょう それでも道はひとつだけあります 神の宮殿のことは姫もご存知でしょう かの宮殿は忽然と現れて千数百年未だ誰も恐れて中に入ったものはいません わたしは中へ入ってみようと思っています エブルの兵もなかへははいってこれないでしょう ただ エブル公は姫を殺そうとはしていないかもしれません」

〈ゼルバさまは兄上に聞いたとうりのかただ 軍学者として勝てる道を常にみようとしている でもわたしは生きたいとは思わない 五十四代皇帝アデス ハイゾックの娘として エブル公に辱められるのはいやだ〉

「ゼルバさま わたくしは…わたくしは……」
スウィイト皇女はその美しい瞳をゼルバに向けたまま涙を流した.

〈余計なことを言ってしまったな 姫がエブル公を受け入れるわけがないことはわかりきっていたはずなのに 姫は生きようとしていない これではいけない わたしがきめて姫を導くしかない〉

「姫 神の宮殿に行きましょう わたしは 姫を いたずらにふりままわしてしまうかもしれません それでも 今はわたしを信じてください わたしには失うものはなにもありません わたしにとって このみ身にかえても姫をお守りすることが 今わたしが生きている意味だと思っています」

ジサンとオルデが居間に入ってくる
「裏手に姫さまの馬の用意をしておきました 一番おとなしい馬ですから姫さまでも大丈夫でしょう」
「服のご用意もできました」
「ありがとう 夜が明けるまえにここを発とうとおもう エブル公の兵がきっと来るだろうから そのときは へんな義理だてをしないで ありのままに 神の宮殿へ向かったと言うんだ 大丈夫だ 考えがある 全てありのままに話せばいい いいね 大丈夫だから ありのままに話すんだ」

姫はオルデの介添えでドレスから乗馬用の服に着替えた.
直ぐに裏手向かう.
ジサンとオルデが二人を見送ろうとしている.
ジサンがいう.
「ゼルバさまご無事で」
オルデ
「神のご加護がありますように」
「二人とも わかっているね 言ったとうりにするんだよ」
「わたしたちのことならご心配無用です ゼルバさまのおっしゃるとうりに」
「二人とも 色々と ありがとう それでわ いくよ」






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