
兄弟ですが、血の繋がりはありません!
第7章 骨と皮と肉と、時々炭水化物
悠side
《 ダイエット7日目 》
ランニング、筋トレ、食事改善。
メニューを考えるのは初めてで大変だったけど、汗を流し、段々と成果が見えるのはやった甲斐があったものだ。
「はーい、ラスト2キロ〜」
「鬼!!」
必死の形相で走る鶫くんを自転車から鼓舞しながら、日々の成果に思いを馳せる。
あ、西日が綺麗だなぁ・・・。
「鶫くんペース上げないと夕飯の支度に間に合わないよ。今日のご飯はねばねば丼だ〜!」
納豆、オクラ、卵、豆腐、たくあん。
こんな具材を全部混ぜ合わせて醤油で味付け。ホカホカご飯を盛って、上にかける。そこへ刻み海苔と揚げ玉を散らして完成!
我が家の定番簡単ご飯のひとつだ。
「でも、オレの分のご飯は…」
「豆腐だよ」
「やっぱりぃいぃぃいいぃい!!」
仕方ないよ。俺だって鶫くんにご飯で食べさせてあげたい。だけど、夜は炭水化物控えめにしようって約束でしょ。
だから豆腐。
「豆腐に豆腐かけたらそれは豆腐じゃん!」
「じゃあ、サラダチキンにかける?」
そう、何を隠そうダイエットを始めたその日に3キロの鶏肉を買って来て全てサラダチキンにした。
だから我が家にはまだそのストックがある!
「・・・じゃあ、それで…」
そして楽なことに鶫くんはサラダチキンの名を出すと、だいたい大人しくなるのだ。
ありがとうサラダチキン。
「よーしそれじゃあ、家まであと1キロになった事だし。俺先に帰るね」
「え"?!」
「寄り道とか買い食いとかしちゃダメだからね!」
まあ、したらしたで分かるんだけど。
「それじゃあ、頑張ってー」
「ぢょっま"っ」
鶫くんの最後の叫びみたいなものが聞こえた気がしたけど、無視無視。
こういう時くらいは心を鬼にしなくては。
いつまでも兄を甘やかすわけにもいかないから。
「味噌汁の具は何にしようかな〜」
