その恋を残して
第7章 眠り姫……か
誰の車だろう、とはちょっとだけ思ったけど。急いでいる俺には大した興味の対象とはならず、その前を走り去ろうとした。だけど、その時――。
バタン――!
車から降りて来たその人物を前にして、俺は目を見張った。
「誠二……さん?」
蒼空と怜未の義兄・帆月誠二は、俺に向かってツカツカと歩を進めてくる。その表情は、何故かとても険しかった。
「松名くん――」
「は、はい……?」
「君は――蒼空に、なにをした?」
誠二さんは俺の前に立ちはだかると、そのように言った。
「えっ……?」
その意味もわからず、唖然と立ち竦んでいると――
「蒼空でなければ、怜未の方かっ! どういうつもりなんだ? あれほど、忠告しておいたはずだぞ!」
冷静な誠二さんが、興奮している。その事実が、否応なく俺の不安を掻き立てていた。
「一体……なにが、あったんですか?」
「訊いているのは、僕の方だ!」
その大声に、周りの生徒たちも反応を見せる。すると誠二さんは、僅かに周囲を気にする素振りを見せた。
迫るような勢いを削がれたところを見計らい、今度は俺から誠二さんに訊く。
「今日、怜未は熱が出て休むって――沢渡さんからは、そんな連絡を受けています」
「……」
誠二さんは一転、俯いて黙っている。その態度を見て、俺の中に不安が広がってゆく。
「違うんですか? だったら――」
そう訊きかけた時――
「僕にも、まだわからない。だから、こうして君に……」
誠二さんは、俺の両肩をガッと掴む。その表情には、悲壮感が漂っていた。
バタン――!
車から降りて来たその人物を前にして、俺は目を見張った。
「誠二……さん?」
蒼空と怜未の義兄・帆月誠二は、俺に向かってツカツカと歩を進めてくる。その表情は、何故かとても険しかった。
「松名くん――」
「は、はい……?」
「君は――蒼空に、なにをした?」
誠二さんは俺の前に立ちはだかると、そのように言った。
「えっ……?」
その意味もわからず、唖然と立ち竦んでいると――
「蒼空でなければ、怜未の方かっ! どういうつもりなんだ? あれほど、忠告しておいたはずだぞ!」
冷静な誠二さんが、興奮している。その事実が、否応なく俺の不安を掻き立てていた。
「一体……なにが、あったんですか?」
「訊いているのは、僕の方だ!」
その大声に、周りの生徒たちも反応を見せる。すると誠二さんは、僅かに周囲を気にする素振りを見せた。
迫るような勢いを削がれたところを見計らい、今度は俺から誠二さんに訊く。
「今日、怜未は熱が出て休むって――沢渡さんからは、そんな連絡を受けています」
「……」
誠二さんは一転、俯いて黙っている。その態度を見て、俺の中に不安が広がってゆく。
「違うんですか? だったら――」
そう訊きかけた時――
「僕にも、まだわからない。だから、こうして君に……」
誠二さんは、俺の両肩をガッと掴む。その表情には、悲壮感が漂っていた。
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