その恋を残して
第8章 ……ちゃった、ね
「俺の声が……ホントに、聴こえて……?」
「はい……松名くんが、迎えに来てくれたことが……私、とっても嬉しかった」
「俺も、蒼空が目覚めた時は、もの凄く嬉しかったよ」
俺を見てホッとしたような蒼空――しかし、何故かその直後にはその表情を曇らせゆく。
「でも、怜未が……」
怜未のことを考え、不安に陥っているであろう蒼空。
その気持ちは、痛いほどにわかる。だけど――
「大丈夫だよ」
俺はきっぱりと言った。どう大丈夫なのか、そんな根拠なんてないけど。でも、確かにそう感じていた。
誠二さんに、怜未が『交代人格』である可能性を聞いた時、俺はショックを受けた。それは、俺がそのことを、知らず知らずの内に肯定しようとしていたから、なのかもしれない。
だが、今は違っている。眠りの中にいた蒼空に、俺の声は届いていたとするならば。怜未が事故で倒れた時だって、二人の心が通じ合っていたことを疑うことなんてできるはずがない。
怜未の魂は間違いなく蒼空の中に宿っている。今、そう確信した。だったら、怜未が蒼空に黙ったまま、何処かへ消えてしまうことなんてあり得ないこと。絶対に。
「蒼空――今夜、もう一度、怜未と話すことを望んでみて。そうすれば必ず、怜未は現れてくれるはずだよ。そして、忘れないでほしい――俺が蒼空を大好きだってことを」
「松名くん……」
その時、蒼空は瞳に溜めていた涙を一筋流して――そして、にっこりと心から微笑んでくれた。
「はい……松名くんが、迎えに来てくれたことが……私、とっても嬉しかった」
「俺も、蒼空が目覚めた時は、もの凄く嬉しかったよ」
俺を見てホッとしたような蒼空――しかし、何故かその直後にはその表情を曇らせゆく。
「でも、怜未が……」
怜未のことを考え、不安に陥っているであろう蒼空。
その気持ちは、痛いほどにわかる。だけど――
「大丈夫だよ」
俺はきっぱりと言った。どう大丈夫なのか、そんな根拠なんてないけど。でも、確かにそう感じていた。
誠二さんに、怜未が『交代人格』である可能性を聞いた時、俺はショックを受けた。それは、俺がそのことを、知らず知らずの内に肯定しようとしていたから、なのかもしれない。
だが、今は違っている。眠りの中にいた蒼空に、俺の声は届いていたとするならば。怜未が事故で倒れた時だって、二人の心が通じ合っていたことを疑うことなんてできるはずがない。
怜未の魂は間違いなく蒼空の中に宿っている。今、そう確信した。だったら、怜未が蒼空に黙ったまま、何処かへ消えてしまうことなんてあり得ないこと。絶対に。
「蒼空――今夜、もう一度、怜未と話すことを望んでみて。そうすれば必ず、怜未は現れてくれるはずだよ。そして、忘れないでほしい――俺が蒼空を大好きだってことを」
「松名くん……」
その時、蒼空は瞳に溜めていた涙を一筋流して――そして、にっこりと心から微笑んでくれた。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える