その恋を残して
第1章 好きにならないで!
俺――松名宋史(まつな そうし)は、現在高校二年生。
自分については、初めに特筆すべきことなんて、なんにも。特に一芸に秀でるものがあるわけでもないし、見た目も(謙遜含まず)至って標準的だ。
繊細で神経質そうに見られることもあるけど、本人は割と大雑把な性格であると思っている。
そんな普通の高校生である俺が『彼女』と初めて出逢う時から、この物語は開始される――らしい。
「なあ――今日、ウチのクラスに編入生が来るってよ」
それは前の席の田口が、唐突に俺に言った言葉。
「へえ、そう」
俺は意に介さず、そんな生返事をする。それがなにか、悪かったとでもいうのか?
ガン――と、世界一理不尽とも思える暴力が、俺の頭部を襲った。
「イテッえな……なにすんだよ!」
「反応が薄い」
「し、知るか!」
小突かれた頭を押さえつつ、俺は田口を睨む。すると、田口は俺に顔を寄せ――
「女子だってよ……しかも、かなり可愛いらしい」
ニヤニヤしながら、小声で言う。
どうしてお前が、そんなことを知っているんだ? と、俺は田口の情報収集能力にだけは、一応は感心している。
しかしながら、この件に関しての興味は、先の反応が全てだった。クラスに一人、知らない人間が増える――それだけのこと。例え、それが絶世の美女であろうが、俺にとってその事実に変更はない。
少なくとも俺に限っては、一目見で恋に堕ちるなんて、あり得ない話。
「まあ……よかったじゃん?」
なにか言わねば収まらない雰囲気の田口に、とりあえず俺はそう言っておく。
「チッ――つまんねえ奴」
舌打ちをしつつ、田口が前を向いた時――ガラッと、教室の扉が開いた。
自分については、初めに特筆すべきことなんて、なんにも。特に一芸に秀でるものがあるわけでもないし、見た目も(謙遜含まず)至って標準的だ。
繊細で神経質そうに見られることもあるけど、本人は割と大雑把な性格であると思っている。
そんな普通の高校生である俺が『彼女』と初めて出逢う時から、この物語は開始される――らしい。
「なあ――今日、ウチのクラスに編入生が来るってよ」
それは前の席の田口が、唐突に俺に言った言葉。
「へえ、そう」
俺は意に介さず、そんな生返事をする。それがなにか、悪かったとでもいうのか?
ガン――と、世界一理不尽とも思える暴力が、俺の頭部を襲った。
「イテッえな……なにすんだよ!」
「反応が薄い」
「し、知るか!」
小突かれた頭を押さえつつ、俺は田口を睨む。すると、田口は俺に顔を寄せ――
「女子だってよ……しかも、かなり可愛いらしい」
ニヤニヤしながら、小声で言う。
どうしてお前が、そんなことを知っているんだ? と、俺は田口の情報収集能力にだけは、一応は感心している。
しかしながら、この件に関しての興味は、先の反応が全てだった。クラスに一人、知らない人間が増える――それだけのこと。例え、それが絶世の美女であろうが、俺にとってその事実に変更はない。
少なくとも俺に限っては、一目見で恋に堕ちるなんて、あり得ない話。
「まあ……よかったじゃん?」
なにか言わねば収まらない雰囲気の田口に、とりあえず俺はそう言っておく。
「チッ――つまんねえ奴」
舌打ちをしつつ、田口が前を向いた時――ガラッと、教室の扉が開いた。
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