その恋を残して
第3章 私と、蒼空の秘密
「松名くんは、やっぱり優しいんだ」
「えっ?」
「信じなくて普通。それどころか、からかうなって怒る人だっていると思うよ。でも、松名くんは、信じられない自分を責めている」
「そ、そんなんじゃない。だって、嘘じゃないんだろ? それは、話をしている沢渡さんを見て、俺だって感じているんだ。それなのに……」
頭を抱える俺に、怜未はそっと言う。
「ありがとう」
「……?」
「松名くんは、懸命に受け止めようとしてくれているんだね。今は、それで十分。そうしてくれると思ったから、私は松名くんに話そうと思った。そして、蒼空は――」
怜未はその名を口にして窓から外を仰ぐようにして、一端、言葉を止めた。
その横顔を眺めて、今度は俺から口を開く。
「ひとつ……聞いてもいい?」
「どうぞ」
「今、彼女(蒼空)は、俺たちの話を聞いているの……?」
「聞いていないよ。眠っているから」
怜未は即答。
「眠る?」
「そう。だから、私たちが話していることを蒼空は知らない」
「……」
不思議そうに首を傾げた俺に、怜未がこんな説明を付け加えた。
「私たちはね、学校の授業で勉強したこととか。あと、例えば本屋さんが何処にあるだとか――学習した知識や情報は、共有することできるの。一方が覚えたことでも、二人のものとして積み重ねてゆける。でも、お互いがどんな行動をしたのかまでは、基本的に知ることができない。誰となにを話したとか、その時にどう思ったとか――」
「えっ?」
「信じなくて普通。それどころか、からかうなって怒る人だっていると思うよ。でも、松名くんは、信じられない自分を責めている」
「そ、そんなんじゃない。だって、嘘じゃないんだろ? それは、話をしている沢渡さんを見て、俺だって感じているんだ。それなのに……」
頭を抱える俺に、怜未はそっと言う。
「ありがとう」
「……?」
「松名くんは、懸命に受け止めようとしてくれているんだね。今は、それで十分。そうしてくれると思ったから、私は松名くんに話そうと思った。そして、蒼空は――」
怜未はその名を口にして窓から外を仰ぐようにして、一端、言葉を止めた。
その横顔を眺めて、今度は俺から口を開く。
「ひとつ……聞いてもいい?」
「どうぞ」
「今、彼女(蒼空)は、俺たちの話を聞いているの……?」
「聞いていないよ。眠っているから」
怜未は即答。
「眠る?」
「そう。だから、私たちが話していることを蒼空は知らない」
「……」
不思議そうに首を傾げた俺に、怜未がこんな説明を付け加えた。
「私たちはね、学校の授業で勉強したこととか。あと、例えば本屋さんが何処にあるだとか――学習した知識や情報は、共有することできるの。一方が覚えたことでも、二人のものとして積み重ねてゆける。でも、お互いがどんな行動をしたのかまでは、基本的に知ることができない。誰となにを話したとか、その時にどう思ったとか――」
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