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天気師の少年

第5章 さようなら

フーミンは一身上の事情によってお天気の国に帰ったという設定でお天気お姉さんずは解散した。

再びレインのソロという形で弾き語りを始めたのだが、収入は減ったというか元に戻ったので、風海は音響アシスタントなどのアルバイトをして生活費の足しにして雨藍との共同生活は継続した。

時々風海が苦しくなったり消えそうになると雨藍が布団に入ってきて抱きしめてくれた。

「よかった、また命が元気になった。これなら消えたりしないよね」

雨藍のぬくもりに風海の猛獣が元気になるのを雨藍は嬉しそうに確かめた。

「こんな、消えちゃいそうになってるのに今まで気づいてあげられなくてごめんね」

「ボクの方こそごめん。ずっと黙ってて」

風海は消えたりしないで存在している。そして、ふたりの間に愛はある。それを確かめたくてふたりは裸になって抱き合ってお互いの体温を感じた。

「消えたくない。ずっと雨藍のそばにいたい」

自分が消滅することへの恐怖に震える風海を雨藍は優しくだきしめてキスをした。

「大丈夫だよ、こんなに元気なんだから消えたりしないよ」

と雨藍は風海の男の部分をギュっとした。

「あ、ああっ」

イったばかりのソレはスゴく敏感になっているからできればそっとしておいて欲しかった・・

「もう、変態なんだから・・妊娠したら責任取ってもらわないといけないんだから消えたりしたら困るからね」

雨藍は、敏感な所を刺激されて喘ぐ風海の様子を見て微笑むと、命がいっぱい注がれたお腹を愛しそうに撫でた。

ふたりは仲睦まじく暮らしたが、そんな幸せも長くは続かなかった。

地下アイドルをつけたり、SNSの画像から自宅を突き止めて襲撃した異常なオタクの記事が新聞やニュースを賑わしたことがあったが、レイン(雨藍)にもそんな異常なオタクがいた。

また、天気を自在に操る力を研究したり悪用して金儲けの道具にしようとする輩もいて、天気の国に帰ったなどとは真っ赤な嘘だと思ってフーミンの所在を突き止めようとしていた。

レインに対して自分の邪な欲望を受け入れようとする輩、レインは必ずフーミンと接触すると踏んでいる輩、不埒な思いは違うが目的は同じ輩たちは手を組んでレインに対するストーカー行為を暗躍していた。

そしてレインが男(風海)と頻繁に接触しているのを突き止めた。

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