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テレフォン -約束-

第8章 冬の蝶




暖冬とはいえ寒い冬を越すのには“まだまだの都会”にいながらの“まー君”からの写メの春が近い装いが、より一層の距離感を感じさせました

乾燥した緑も土もない都会の空気を吸いながらの“まー君”からの写メには
少しだけ髭が生えていて大根の収穫している一生懸命な姿の画像には土埃が舞い
綺麗なエメラルドグリーンの海を背に笑顔の画像には砂煙が舞い
なんとなくアタシが抱えているシリアスを気にしてくれているとは感じられませんでした


・・・・その反面


幾度も月の満ち欠けを見上げながらの待ちぼうけで、もがき苦しむことは
離れている距離には関係ないようで


 不服や焦り

 嫉妬や鬱憤


時折、“まー君”の言葉の端々に自分だけが辛いような灰汁(あく)が感じられました
それでも、アタシは時間の許す限り、お話を聞いていました

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