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テレフォン -約束-

第3章 回想



それから数日後…

涼しい弾丸みたいに、透明サイダーの炭酸の気泡は表明に、たくさん、たくさん重力に逆らい舞い上がっているのを眺めてました

そんな、炭酸が抜けた頃、アタシは今日も仕事を休んだことに気が付いた


 “自律神経失調症”


足が動かなくなっていた

ストレスの嵐がアタシを襲ってた

ココロよりも先にカラダが拒否反応を示した


原因不明の痛みは、通っていた専門外の整体師が自身の経験で病名を言い当てた

そして…

“ストレスから逃げなさい”と、人生相談する神父さんみたいに言い放った


確かに、こんな、こんなの

休んでは、出社して…
休んでは、出社して…

繰り返し繰り返していれば

居心地も悪く、居場所も無く、好奇の眼差しの的にもなるだろうな…

アタシは身もココロもクランケになってしまうんだ

幸せは、グラニュー糖の結晶が包帯を巻かれた手の平から、キラキラと足元にこぼれ落ちて

“仕事のストレス”“男の暴力”

そんな呪いのクロアリが集まり、全てを蝕まれ、盗まれ、奪われるような感覚に陥りました

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