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テレフォン -約束-

第4章 シゴト




“終了10分前のタイマー音”
それが、鳴る頃には


“ヤマダ”さんは、奥さんに、かまって貰えない証拠のような、トランクスを履き始めていました


・・・・アタシの彼なら


ぶうぶうぶうのブーイングトランクス


不愉快なほど、鈍色の無粋な柄と、くたびれた生地


お腹のぜい肉と毛深いのは嫌いじゃないけど…


あと、字が綺麗だったら“ヤマダ”さんにはアタシの独り合点を捧げよう


だけど…


両手の人差し指で、腰のゴムを調整している不器用さを見た時になんとなく、不合点と予感しました


だけど、だけど…


“ヤマダ”さんは、全然、良いお客さんです


色欲Hotelを出て、高架下のスクランブル交差点付近で


“バイバイ”


と手を振りました

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