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テレフォン -約束-

第5章 原色の気球と花束と




“女のコの身体はやっぱり、デリケートなんだ…”

少し、バイ菌が入って傷んだ尿管

どうも、膀胱にも原因があるみたいだけど、2日後にはシゴトには戻れそうかな…

アタシは、コンビニで買った、いなり寿司とざるそばのパックを持ちながら

“食べたらお薬”
“食べたらお薬”

忘れないように唱えながら歩いてる


「ただいまぁ~」

ドアを開けて返事はなかったから、お姉ちゃんは出掛けているようです

鉄筋コンクリート造の気密性は残暑を蓄熱させ、おまけに西陽がフィクス窓から射し込んでいるので“もう、お姉ちゃんったら”って、小言を呟いて小窓のレースのカーテンを閉めました


末梢神経冷え性のアタシは、本意じゃない冷房のスイッチをオンにして

“食べたらお薬”

と、また唱えながら食べるのを忘れそうなくらい食欲の出ない夏は、まだまだ続きそうなだな…


季節感を感じながら


“裸を見ないでいい”
“裸を見せなくていい”


そんな、平々凡々な休日を過ごしています

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