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テレフォン -約束-

第6章 灰色の記憶




・・・・・・・・そんな、お母さんはたまに家にいても


 いつも


 いつも


何か考え事をしていたようでした


アタシが話かけても上の空で、お返事はいつも曖昧で…


別に無理な“約束”じゃなかった…

ただ、髪の毛を括って欲しかっただけでした


 ・・・・可愛いゴムで


だけど、上の空の曖昧なお返事の“約束”はやっぱり


 いつも


 いつも


守って貰えなくて、自分で括って左右がちぐはぐが当たり前でした




・・・・・・・・小学生の3~4年の頃でした

突然にお父さんが帰ってきました

帰るなり、お母さんに暴力をふるいました

お父さんには殴らないでと“約束”をして

お母さんには離れないでと“約束”をしたけれど


やっぱり、それも一方通行の“約束”で

お父さんは、やっぱり、殴るのを止めずに商売をしていたお店の権利書をお母さんから取り上げ、売り払ってしまった


お母さんもやっぱり、我慢出来なくて家を飛び出してゆき、お父さんとお姉ちゃんの3人暮らしにとなってしまいました


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