
テレフォン -約束-
第6章 灰色の記憶
・・・・だから、アタシは“約束”がとても怖くて
父母への一方通行の
“約束”がとても憎くて
だから、アタシは
“約束”を信じなくて
巧みに騙した男の暴力の
“約束”がとてもおぞましくて
だから、アタシは
“約束”から逃れ逃れて
採用の為に抱かれた代表との
“約束”で奈落を安住にさせられて
だから、アタシは
“約束”に縛られ続けて
・・・・それでも
・・・・ううん、だから
“約束”を守ってくれる人には人間愛を感じるのです
・・・・だから
アタシは背中で髪の香りを嗅いでいるアナタに向きました
