
テレフォン -約束-
第7章 極彩色の万華鏡
アタシはやっぱり、瞳を閉じました
今日は素敵な“約束”を守ってくれた日でした
でも、アタシはやっぱり、瞳を閉じました
あの日、雨宿りに来たかのようにお店に来た“まー君”を思い出していました
でもでも、アタシはやっぱり、瞳を閉じました
“お店では着てないよ”って、いちいち説明しないといけなくなった、シニカル混じりのランジェリーを脱がす“まー君”
・・・・そして“まー君”がアタシに入ってきました
・・・・アタシは吐息とため息が混じり合った息をペパーミントが鼻から抜けるみたな声を出して“いちばん幸せな日”に“いちばん大切な人”と過ごしているハズなのに、気が付けば“レナ”で演じていました
様々な原色の絵具を混ぜれば黒色になるように
アタシのココロはその色に染まったように思え
気球は乱気流にさらわれたみたいに思え
極彩色の万華鏡を回す内にふいに暗転に
落ちたような気がして
だから、アタシは
深く深く瞳を閉じました
深く深く瞳を閉じました
深く深くです
深く深く
