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Happiness day

第18章 Song for you

「あ…いえ、あったって程の事ではないです」

智と、智におんぶしてもらってる二宮さんの後ろ姿を見て
寂しい?悔しい?…なんだか複雑な気持ちになって、動く事が出来なかった

その場所に居ていいのは、俺だけじゃないんだ
いや…寧ろ、その場所に相応しいのは二宮さんのような気さえしてしまった

「『あったって程の事ではない』けど、何かあったんだろ?
話してみなよ。
誰かに聞いてもらうだけで、楽になることもある。
他に話せる相手がいない内容なら尚更だよ?」

優しく微笑む松本さん
きっとわかってるんだよな…智が関係してる事だって

俺は松本さんから視線を外し俯いた

「…俺でいいのかな、って…」

以前よりも有名人になった智
智の事を好きな人は数え切れない

俺よりも智に相応しい人だって、沢山いるはず…

二宮さんもその内のひとり

「それは、智のパートナーが櫻井くんでいいのかな、ってこと?」

俺は俯いたまま頷いた

「どうしてそう思ったの?」

「さっき、智くんが二宮さんをおぶってたんです。それを見て、俺よりも二宮さんの方が智くんには合うんじゃないかって」

「そう?俺には、智と櫻井くんの方がお似合いに見えたけど?」

「でも俺…何もない…
智くんや二宮さんや松本さんのように、人に認められる才能がない…」

「才能ねぇ…
人と付き合うのに、才能って必要なのかな
なんの才能も持ってない人って、恋愛しちゃいけないの?」

「いえっ、そういう訳では…」

「そうだよね?神様は恋愛をする権利をみんな平等に与えてくれてる
そもそも、智が先に櫻井くんに惚れたって、松岡さんから聞いてるよ?
智が櫻井くんを好きだって言うんだから、櫻井くんはそんな事、気にやむ必要ないよ」

穏やかな口調で話し、俺の頭をポンポンと叩く

やっぱり松本さんは大人だ…
話を聞いてもらって、かなり気持ちが楽になった

「はい…ありがとうございます」

顔を上げてお礼を言うと、松本さんは『うんうん』と頷いた

「それにしても、櫻井くんは可愛いね」

「は?」

可愛い?

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