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増田くんを家まで送り届け、リハーサルをしている智の元へ

少しは聴けるかな、なんて期待していたのに
控室に着いた時には智は帰る準備まで終わらせていた

「ごめん、待った？」

「いや、今終わったとこ」

「思ったよりも早く終わったんだね」

「ん。順調に進んだから、明日からの為に今日は早めに休めって」

「そっか。じゃあ俺、スタッフさん達に挨拶してくる」

「あ〜、俺も一緒に行くわ
翔ひとりで行かせると、あちこちで捕まって、なかなか帰れなくなるから」

「捕まる？なにそれ」

「そういう鈍い所も可愛いんだけど、程々にな？
俺の神経が擦り減っちゃうから」

智が苦笑いする

鈍い？俺が？
そんな事、誰にも言われた事ないけど
俺の鈍さが智に負担をかけてる？

智に連れられて、早足でスタッフさんたちに挨拶をすませる

「おー！櫻井くん、お疲れさま」

「お疲れ様です。今日はお世話になりました
明日もよろしくお願いします」

「こちらこそよろしく頼むよ」

「はい」

「智もな？今日はゆっくり休んで、明日、頑張ってくれよ？」

「任せといてよ、最高のステージ見せるから」

「そりゃ楽しみだ。じゃあな。お疲れさん」

「はい、失礼します」

他のスタッフさんたちも上機嫌で挨拶をしてくれる

「智くん。今日、調子良かった？」

「普通だけど？なんで？」

「ん？皆さん機嫌が良いみたいだから、リハーサルが上出来だったのかな、って」

「だからぁ、翔が来たからだって」

「俺が来たから？意味がわかんないけど」

「わからなくていいよ。そのまま激ニブでいろ」

やっぱり鈍いの？俺…