テキストサイズ

Happiness day

第19章 Do you…?

「悪かったな、家まで送ってもらっちゃって」

俺が会計をしている間に、智は会社に連絡をして、午後から有給を取ると、上司に話をつけてくれた

しかも利き手が使えない生活が始まったばかりで、困ることがあるかもしれないと、わざわざ家まで送ってくれた

「いや、ひとりで帰らせる方が心配だったからさ」

「智って、心配症だったっけ?」

「今回の件に関しちゃ心配するだろ…
元々不器用な翔が、片手しか使えないんだぞ?」

「まぁ、確かに…」

会計をする際も、財布から小銭が出せず、札だけで払ったはいいが
今度は貰ったお釣りをしまうのに悪戦苦闘した

結局、電話を終えて戻って来た智に、しまって貰ったんだ

「着替えは?手伝おうか?」

「大丈夫だよ、時間はたっぷりあるから、ゆっくりチャレンジしてみる
これからしばらくこの生活が続くんだ
着替えくらい出来るようにしておかないと、毎朝遅刻しちまう」

顎に手を当て考え込む智

「そうだよなぁ…」

「だろ?だから、大丈夫。
今日はありがとな、色々助かったよ」

「ん?…あぁ、こちらこそ助けてくれてありがとう」

智はまだ考え事をしていたのか、俺がお礼を言うと、視線をこちらに向けた

「じゃあ、俺行くわ」

玄関のドアノブに手を掛ける智

「気をつけて帰れよ?」

「おう、またな」

ふにゃっと笑って、智は出て行った

ストーリーメニュー

TOPTOPへ