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Happiness day

第19章 Do you…?

「……あまい…」

「え?俺、塩と砂糖間違えた?」

「あ、ううん。砂糖の甘さじゃなくて、ご飯の甘さ?」

「あぁ…なんだ、びっくりしたぁ…
まさかと思ったけど、間違えて砂糖入れちゃったかと思ったよ」

「いや、塩加減は丁度いい」

智の作ってくれたお粥は俺が想像していた味とは全くの別物だった

「ふふっ…そう?それは良かった」

「え?なんで?なんでこんなに美味いのっ?」

「そこまでじゃないだろ。ゴク普通のお粥だよ」

「そうなの⁈俺が知ってるお粥は、もっとドロドロっていうか、ベトベトっていうか…
チューブに入ってる糊みたいな感じなんだけど」

「んー?もしかして作り方?
米から炊いたのと、ご飯をお湯で煮たやつの違い?」

「米からとご飯から?」

「わかんねぇけどな。
糊っぽいって言ったからそうなのかな、って思っただけ
急いで作る時はご飯からの方が早いだろうから」

「で?これは?」

智の作ったお粥を指した

「米からだよ?」

「へぇ…そうなんだ。
すげぇな、智…こんな美味いお粥作れるなんて」

「感動してくれるのは嬉しいんだけど
顔に米粒ついてるぞ?」

「え、マジで?」

左手に持っていたレンゲを置いて、頬や顎を撫でる

「ここだよ」

智が微笑みながら、指先でスッと唇のすぐ下を撫でた

智の指先に付いた一粒の米

「あっ、わりぃ……えっ?」

智の指に付いた米粒を拭こうと、ティッシュを掴み、智の方に向き直ると
智は自分の指をペロっと舐めていた

「ん?どうした?」

「いや…拭こうかなって…」

ティッシュをヒラッヒラと振った

「あ〜、ティッシュ使う程の事でもないだろ?勿体ねぇよ」

そっか…勿体ないか…やっぱり智って家庭的

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