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「それにしてもびっくりしたなぁ…」

喫茶店を出て、スーパーに向かう道すがら
先程知ったばかりの、ふたりの関係の感想を口にした

「びっくりしたって割には、すんなり受け入れてたけどな」

「同性同士の付き合い？
ん〜…だってさ、納得しちゃったんだよね
『あ〜、だからこの店の雰囲気が良いのか』って」

「あれだけお互いが優しい空気出してたら、店に来る客も影響受けんだろ
安らぎの空間、ってやつ？」

「うん。同性愛者って理由だけで、あの店を嫌いにはなれない
あのふたりの事も変わらず好きだし
これからもお邪魔するよ」

「俺もあの店気に入った
あのホットチョコは絶品だよ」

「おかわりしてたもんな
それに相葉さんと凄い意気投合してたじゃん
気が合った？」

「ふふっ…まぁ、色んな意味で気が合った」

帰り際、俺が松本さんと話してる時に、智は相葉さんとふたり、なにやら楽しげに話してたんだ

「そっか。連れてって良かった」

智は笑顔で『うんうん』と頷いた

「で？今日の夜メシ何にする？」

「あー…鍋食いたい」

「鍋？」

「うん。作れる？」

「超簡単だけど」

「なら、お願いしていい？」

「おう、任せろ。翔好みの鍋作ってやるよ」

「やった！楽しみ〜」

今まで、智が気を使って、スプーンやフォークで食べられる洋食を用意してくれてるのはわかってる

でもやっぱり日本人だよなぁ…

この時期は鍋が食べたくなる

スーパーで鍋の材料と、久しぶりの日本酒を購入して、ウキウキ気分で家路についた