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「翔は？どうすんの？」

「え？何が？」

「バレンタイン。本命チョコ貰ったらどうすんの？受け取る？」

「だから、わからないんだってば…本命か義理か」

会社内で貰うチョコは、今まで何の疑いもなく義理チョコだと思って全て受け取ってた

だから、お返しもみんな一緒…

誰かひとりに特別な物を返すなんて、したことない

「あ〜、そっか…なら受け取っちゃうんだなぁ」

「でもほらっ、そもそも俺に本命チョコ渡そうなんて人いないよっ」

「ホントわかってないなぁ…
翔の事、本気で好きな人いるのにね」

智が苦笑いする

「なんでそう言い切れるんだよ
俺自身が誰からも告られたことないって言ってんだぞ」

「だからぁ、告られてるのに気付いてないんだよ」

「そんな事言われても『好き』って言ってくれなきゃわからないってばっ」

「ん〜…瞳を見たらわかると思うんだけどなぁ…」

「瞳？」

「そう、瞳。人間、恋をすると瞳がキラキラ潤むんだってさ」

「そんなのわからないって…
元々潤んでる人なのかも知れないし
恋する以前の瞳と比べるなんて不可能だよ」

「それでも明らかに違うと思うんだけどね？
好きな人を見る目って」

それはちょっとわかる気がする

さっき智が好きな人がいるって話をした時、凄く優しい表情をしたから

あんな顔されたら、好きじゃなかった人でも、智の事好きになっちゃうんじゃないか？

って事は、智が好きな人も、そのうち智の事を好きになる？

ってなると、もちろんお付き合いするよな…

今度は胸がズキっとした