テキストサイズ

Happiness day

第20章 GUTS!

俺が店を出たすぐ後に智が店から出てきて、俺の隣に並ぶ

「相葉さんが翔に『ごめんね』だってさ」

「別に謝ってもらうような事ないし…」

寧ろあんな態度とった俺の方が失礼?

「『また来てね』だって」

「もちろん行くよ…あの店大好きだもん」

「うん。また来ような」

珍しく智が俺の左側を歩いたかと思ったら、そっと手を握られた

智と手を繋いで歩くのは初めての事…

照れ臭いと言うか、恥ずかしいと言うか
胸がムズムズでいっぱいで、さっきまで胸の中に充満していたモヤモヤが一気に吹っ飛んだ

「帰ったらホットチョコ入れてくれる?」

優しい声で問う智
その手をギュッと握りしめて答える

「…うん。入れてあげる」


家に帰ってご機嫌でホットチョコを入れる俺

超単純じゃね?手を繋いで歩いたくらいで機嫌が直るなんて
俺ってこんなに単純な人間だったんだと新たな自分を発見

「智、出来たよ」

「おっ、ありがと」

テレビを観ていた智に声を掛けると、マグカップを乗せたトレーを受け取ってくれた

「何観てたの?」

「ん?トーク番組。トークテーマが『体を洗う時、何で洗う』だったんだけどさ…」

「何で洗うって、スポンジかタオルだろ?」

「殆どはそう。でも一人だけ『手で洗う』って答えた人がいて
みんなに『それはない』って言われてだんだよ」

「だろうね」

「だけど、そのあと専門家の人に聞いたら『アリ』なんだって」

「えっ⁉︎アリなの⁉︎」

「うん。肌を傷つけない為には、手で洗うのがいいらしいよ?」

「へぇ…知らなかった」

「だよなぁ…いい事教えて貰ったよ」

智がやたらと感心してる
智って、肌を大切にしてる人だったんだ
それも新たな発見だな

ストーリーメニュー

TOPTOPへ