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Happiness day

第20章 GUTS!

ギブスが外れたんだから、何事もリハビリになるんだけど…

頭を洗ってても、体を洗ってても、物足りない

「智に洗ってもらった方が気持ちいい…」

手で洗ってもらう事に慣れてしまったからかな

泡のついたスポンジを置いて、手で体を擦ってみる

「…やっぱ違う」

智の手はもっとこう…滑らかに肌を滑っていく感じ?
受けた事はないけど、きっとエステってあんな感じ

真似してみたけど、やっぱ違う

「やめた…」

体に付いた泡を洗い流し湯船に浸かる

怪我が治ったんだから、甘えちゃいけないと思うんだけど
また智に洗ってもらいたいなぁ…


「どうした?翔。風呂上がりにしては難しい顔してんじゃん
思った通り洗えなかった?」

「うん…」

「1ヶ月も使ってなかったからなぁ…
でもまぁ、まだ若いし、すぐに感覚は戻るだろ
あんまり深刻になるなよ」

それとはちょっと理由が違うんだけど、とは言えない

智みたいに洗えないのが不満なんてさ…
そんな事言ったら智の事だ、これからも毎日洗ってやるって言いそうじゃん?

「翔、ここ座って?」

ソファーに座ってる智が、隣のスペースをポンポンと叩く

俺は言われるがまま、隣に座った

「右腕貸して?」

右腕を智の方に差し出すと、智はスエットを捲り上げた

「なにするの?」

「ん?マッサージ。久しぶりに右手使ったから、疲れてるだろ?」

「そうでもないけど?」

「そんなに感じてないかも知れないけど、丸1ヶ月使ってなかった筋肉を急に使ったんだから、少しほぐした方がいいよ」

智の言う通りだな…ここは素直に従おう

「うん、ありがと」

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