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Happiness day

第20章 GUTS!

「お待たせ」

智がペットボトルの水とグラスを持って戻ってきた

起きあがろうとする俺を見て、慌てて駆け寄って来る

「大丈夫か?」

グラスとボトルを置くと、俺の体を支え、ゆっくりと起き上がらせてくれた

「大丈夫だよ。病人じゃないんだから」

「でも痛むんだろ?」

「まぁ、多少は…でも骨折の時よりは痛くないから大丈夫だって」

「骨折より痛かったら問題だよ…
はい、水」

水をグラスに注ぎ、渡してくれる

「ありがと」

グラスの水を一気に流し込んだ

「はぁ…うまっ…」

「もっと飲む?」

「ううん、もういい」

「じゃあ、朝メシ作って来るから、それまで寝てな」

俺の手からグラスを取り、また体を支えて寝かせてくれる

「ふふっ…懐かしいね」

「何が?」

「智が初めてここに来た日を思い出す
あの日も、ご飯作るまで寝てろって言われた」

「あー、言ったな…」

「俺、智の事、母親みたいだって言ったんだよね」

「俺は『母ちゃんになる気はない』って言った…
母親じゃ、こんな事出来ないからな」

智が軽く触れるだけのキスを落とす

「智…」

「今はここまでな?飯食べて、買い物に行かないと…
買い物はひとりで行くから、留守番してて」

「え〜、一緒に行けるよぉ」

「ダメだよ、無理しちゃ
今日は昼メシも家でな?」

ちょっと過保護な気もするけど
でもそれだけ大切にされてるって事だよな

胸がムズムズして顔がニヤける

「翔?」

「来週、ホワイトデーだけどさ
お返しいらない」

「え?なんで?」

不思議顔の智

「ふふっ…もうもらってるから」

チョコよりもあま〜い智をね♡


〈end〉

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