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Happiness day

第25章 夏疾風

牧場の中を散歩して、小動物ふれあいコーナーがあったから入ってみる

「僕、うさぎをこんなに近くで見るの初めて」

「そうなんだ。俺は小学校でうさぎ飼ってたから、飼育員になって世話してたよ」

「へぇ〜。じゃあ触れるの?」

「もちろん。ほら…」

足元にいたうさぎを一羽ヒョイっと抱き上げた

「うわぁ…すご〜い」

「翔くんも触ってみなよ」

翔くんに一歩近づくと、翔くんは恐る恐る手を伸ばした

「大丈夫。噛んだりしないから」

「う、うん…」

背中に触れ、ゆっくりと撫で下ろす

「わっ!柔らか〜い。気持ちいい〜」

何度も撫でてるから、怖さは無くなったみたいだな

「抱いてみる?」

「…大丈夫かな…」

「大丈夫…手出して?ゆっくりいくよ」

「うん…」

緊張した様子の翔くんの腕に、そ〜っとうさぎを乗せた

「あったかい…」

「夏でも毛皮のコート着てるからな」

「ふふっ。毛皮のコートって…」

慣れて来たのか、翔くんの顔も笑顔になった

翔くんとうさぎを見て、ふと思う
翔くんって、うさぎっぽい?

今まで考えた事なかったけど、翔くんを動物に例えるならうさぎかも…

次にいつこのツーショットが見られるかわからない
これは記念に残しておかないと…

「翔くん。うさぎと一緒に写真撮ってあげるから、こっち向いて?」

「うん、お願い」

すっかり慣れたのか、うさぎを顔の近くに寄せ、こちらを向く

メチャ可愛いんですけど…

「智くん?もう撮れた?」

見惚れて、シャッター押すの忘れてた…

「あ、ごめんっ。あと何枚か撮らせて」

慌ててシャッターを押した

「オッケー。後で送ってあげるね」

「ありがとう」

こちらこそありがとう
めちゃくちゃ良い写真が撮れたよ
これは、待ち受け画面決定だな

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