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Happiness day

第25章 夏疾風

翔くんの方に向き直り、翔くんの腕を取る
引き寄せると、腕の中に収まる翔くんの体…

腕を背中に回し、そっと抱きしめた

こんな風に抱きしめたのは数えるくらい…
いつもならガチガチに固まるのに
今日の翔くんは、やっぱり違う

躊躇いは感じられるけど
翔くんの手が俺の背中に触れる…

そんな些細な行動でさえ、愛しく感じて仕方ない

「翔くん…好きだ…」

人を好きになった事はある…
でもここまで好きになった人は初めてで

なんでこんなにも好きになれるのか、自分でもわからない

俺の背中にある翔くんの手が、俺のTシャツをギュッと握った

「智くん…僕も好き……
抱きしめられるだけで嬉しくて
泣きそうになるくらい智くんの事が好きだよ…」

照れ屋な翔くんからこんな言葉が聞けるとは…
驚いて翔くんの顔を覗き込んだ

真っ赤な顔をして、本当に泣き出しそうな瞳をしている…

嬉しいよ?翔くんにそんなに想ってもらえてる事…

でも、翔くんにはいつも笑っていて欲しいんだ

翔くんの瞼…頬…鼻の頭…チュッと音を鳴らしてキスをすると翔くんの笑い声が聴こえた

「ふふっ…擽ったい…」

笑顔になった翔くんの唇にもチュッと音を立てキスをする

「んっ…」

反射的になのか、閉じてしまった翔くんの唇…
唇で喰むように何度もキスをすると閉じていた唇が緩く開く

「ん…ふっ……んっっ…」

唇の隙間に舌を滑り込ませ、翔くんの口内へと侵入した

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