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Happiness day

第26章 太陽の世界

厨房から出て、3人の元へ向かった

「よっ!いらっしゃい」

「こんにちは、松本さん」

爽やかな笑顔で挨拶をしてくれたのは、翔くん

「なんだよ…ふたりも昨日仲良くしたんじゃん」

ニヤッと笑って、そう言ったのは大野くん

大野くん…目敏いな

昨夜は、雅紀が友人からもらったというワインをふたりで飲んだんだけど
妙に盛り上がったと言うか、なんと言うか…

媚薬でも入ってたのか?って、疑いたくなるレベルで、ヒートアップしてしまった

で、体に怠さが残る俺は、頑張ってここまで仕事をこなしたが
昼のピークを終え、気が抜けた途端に、仕事の疲れも出て、動きに鈍さが表れ
それを大野くんに見事、見破られた

ぼーっとしてるようで、人の事、ちゃんと見てるんだよなぁ

ここに来店した初日に、俺たちの関係にも気付いたって言うから驚きだ

翔くんなんて、2年以上通ってくれてるのに、全くわかってなかったもんな

「ごめんね、潤ちゃん
まだ体痛い?薬持って来ようか?」

心配顔の雅紀…

朝から猛反省してるから、許すしかない
それに雅紀だけの責任でもないし?

「それほどじゃないから、大丈夫」

「そう?無理しないでいいからね?
この後は臨時休業にしてもいいんだから」

「イチイチそんな事してたら
この店、年中臨時休業だぞ?」

「あっ!そうか!」

「ははっ!仲良いね?ふたりとも」

楽しそうに笑う大野くんと、少し頬をピンクに染めて、気まずそうにしてる翔くん

「くふっ、でしょ?」

当然とばかりに笑顔で答える雅紀

と、まぁこんな感じで
恋人に溺愛され、気心知れた友人とも言えるお客さんたちと、日々楽しく過ごさせてもらってる

あの頃抱いていた夢が、現実になった空間…

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