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Happiness day

第26章 太陽の世界

「もしかして、友達だと思われてなかった?俺…」

「あっ!ううんっ!友達!友達だよっ!
うんっ!友達!」

自分自身に言い聞かせるように、何度も『友達』を連呼する

俺…雅紀に友達と思われてなかったのか…

仲良くしてもらってたから、勝手に思い込んでた

そうだよなぁ…職場の人を紹介する時に、同僚とは言うけど、友達とは言わないよな

俺、勘違いして、雅紀に変な気、使わせちゃったじゃん…

雅紀を見ると、若干引き攣ったような笑顔だし…

いつもの、弾けんばかりの笑顔じゃない

「ごめん、雅紀…俺…」

「ううんっ!潤ちゃんが謝る必要ないからっ!
悪いのは俺なんだよ!うんっ!
俺が潤ちゃんのこと好きって言っちゃったのが悪いっ!
だから、謝らないでっ!」

ただの仕事仲間なのに、勝手に友達だと思い込んでた事を謝ろうとしたのに
雅紀は、俺の言葉を遮り捲し立てる

でも、意味がわからない…

なんで俺の事を好きだって言ってくれた事を謝ってるんだ?

俺も雅紀の事、好きだって言ってるんだから
そこは謝りポイントじゃないと思うんだけど…

「あのさ、雅紀は、俺の事、どういう意味で好きだって言ってくれたの?
正直に言ってよ。雅紀は俺の事、友達として見てなかったんだろ?」

「えっ⁉︎……あっ…えっと、それは……」

視線をキョロキョロ彷徨わせ、どう見ても挙動不審だ
それに『友達として見てなかった』という俺の言葉を否定してくれない…

優しい雅紀なら、否定してくれるかも、なんて期待したけど
正直な雅紀は、嘘は吐けないんだね…

なんだか、段々へこんできた…

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