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Happiness day

第27章 movin’ on

里親はすぐになれるものではなくて、何回か講習を受ける

雅紀はその講習も既に終え
あとはどの犬を引き取るか決めて
他にその子を望んでる人がいなければ引き取る事が出来る段階

ただ雅紀には、気になる犬が2匹いるらしく
どちらにするか決めかねてるそう

ひとりで考えても答えが出せず、俺に選ぶのを付き合ってくれと頼みに来た

でも俺は…人に動物を飼う事を推奨出来る人間じゃない…

「他の人を当たれよ」

「だから!翔ちゃんじゃなきゃ駄目なんだってば!」

「なんでだよ」

「他の人は真剣に考えてくれなそうだから」

「は?俺だって、真剣に考えてなんてやれないぞ?」

「そんな事ないよ!
翔ちゃんだけだもん
俺がペット飼うって言った時『大丈夫なのか?』って心配してくれたの」

「そりゃ心配くらいするさ
エゴで引き取ったはいいが、散歩も連れてってやらないなんてなったら、飼われた方が迷惑だ」

雅紀が講習を受けたと聞いたから、それなら安心と思った
こいつ、基本は真面目だし

「でしょ!でも他の人はそんな事、気にしないよ?
大抵の人は『いいじゃん』とか『何犬にするの?』とか、笑顔で聞いてくるだけだもん
飼われた後の環境を心配してくれた翔ちゃんだから、一緒に見て欲しい」

普段はへらへらしてる事が多いのに、真剣な眼差しで俺を見つめる雅紀

「はぁ…わかったよ、一緒に行くよ
でも、飼うのは雅紀なんだから
最後の決断は自分で下せよ?」

「うん!わかってるって!
ありがとう!翔ちゃん!」

雅紀は満面の笑みで俺の両手を握り、勢いよくブンブンと振る

良いヤツなんだけど
力加減が出来ないのと、強引なのは、ちょっと困る

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