Happiness day
第27章 movin’ on
善は急げと、その足で愛護センターに連れて行かれた
雅紀の運転する車の中、保護されている動物たちの話を聞かされた
元の飼い主の身勝手な理由で飼えなくなった犬や猫
飼い主が高齢で、亡くなった後、何日か経ってから保護される、なんてこともあるそうだ
「ペットショップだと、高齢の方じゃ購入出来なくなってたりするけど
誰かから譲り受ければ、年齢は関係ないからね」
聞いてて耳が…いや、胸が痛くなった…
俺が今、乗り気じゃない理由は、そこにあるから…
俺がまだ幼かった頃…
自分の家ではペットを飼う事が許されず
ひとり暮らしをしている祖母に頼んで、祖母の家で犬を飼ってもらう事になった
『ボクが背中に乗れるくらい大きな犬がいいっ!』
そんな俺の一言から、祖母の家で大型犬を飼う事に…
年に数回しか訪れないのに、なんて我儘な事を言ってしまったのだろう、と気付いたのは、その数年後…
飼い始めた頃は、まだ良かった
祖母もそれ程歳を取っていなかったから…
でも8年を過ぎると、60歳を超えた祖母が膝を痛め、大きな犬を散歩に連れて歩く事が困難になってきた
その事で祖母は自分を責めるんだ…
『私がもっと動けたら
たっぷり散歩をさせてやれるのに…』
申し訳無さそうな顔をして、犬を撫でる祖母を見て
ようやく俺は自分がした事の罪に気が付いた
俺の我儘のせいで、その犬は不自由な生活を強いられ、祖母は悪くないのに、自分を責める…
なんとかしたいけど、中学生の俺にはどうにも出来ず
年に数回、祖母の家に遊びに行った時に、散歩に連れて行く事しかしてやれなかった
それから5年…俺が高校生の時に、その犬が亡くなり
『可愛がってくれていたから』と、祖母は俺に連絡をくれた
電話の向こうで、涙ながらに報告する祖母
ごめんなさい。俺の我儘のせいで、ペットを飼わせ、しかもひとりで見取らせてしまって…
祖母に哀しい思いをさせてしまったのは、俺
そんな俺が、ペットを飼う事を推奨出来る訳がない
雅紀の運転する車の中、保護されている動物たちの話を聞かされた
元の飼い主の身勝手な理由で飼えなくなった犬や猫
飼い主が高齢で、亡くなった後、何日か経ってから保護される、なんてこともあるそうだ
「ペットショップだと、高齢の方じゃ購入出来なくなってたりするけど
誰かから譲り受ければ、年齢は関係ないからね」
聞いてて耳が…いや、胸が痛くなった…
俺が今、乗り気じゃない理由は、そこにあるから…
俺がまだ幼かった頃…
自分の家ではペットを飼う事が許されず
ひとり暮らしをしている祖母に頼んで、祖母の家で犬を飼ってもらう事になった
『ボクが背中に乗れるくらい大きな犬がいいっ!』
そんな俺の一言から、祖母の家で大型犬を飼う事に…
年に数回しか訪れないのに、なんて我儘な事を言ってしまったのだろう、と気付いたのは、その数年後…
飼い始めた頃は、まだ良かった
祖母もそれ程歳を取っていなかったから…
でも8年を過ぎると、60歳を超えた祖母が膝を痛め、大きな犬を散歩に連れて歩く事が困難になってきた
その事で祖母は自分を責めるんだ…
『私がもっと動けたら
たっぷり散歩をさせてやれるのに…』
申し訳無さそうな顔をして、犬を撫でる祖母を見て
ようやく俺は自分がした事の罪に気が付いた
俺の我儘のせいで、その犬は不自由な生活を強いられ、祖母は悪くないのに、自分を責める…
なんとかしたいけど、中学生の俺にはどうにも出来ず
年に数回、祖母の家に遊びに行った時に、散歩に連れて行く事しかしてやれなかった
それから5年…俺が高校生の時に、その犬が亡くなり
『可愛がってくれていたから』と、祖母は俺に連絡をくれた
電話の向こうで、涙ながらに報告する祖母
ごめんなさい。俺の我儘のせいで、ペットを飼わせ、しかもひとりで見取らせてしまって…
祖母に哀しい思いをさせてしまったのは、俺
そんな俺が、ペットを飼う事を推奨出来る訳がない