テキストサイズ

Happiness day

第27章 movin’ on

「こっち、こっち」

愛護センターに付き、そわそわ?うきうき?してる雅紀が、目的の場所を目指し、俺を手招きしながら早足で歩く

「そんな急がなくても…」

子供じゃないんだから…

「だって、早く会いたいんだもんっ。
あっ、大野さん」

大野さん?犬の名前か?

なわけないか…

従業員だろうか…前を歩いている少し小柄で、猫背気味の男性…

「大野さん!こんにちは!」

雅紀が駆け寄り、声を掛けると
その人はゆっくり振り向いた

「あ〜、こんにちは、相葉くん」

ふにゃんと笑ったその顔は、見るからに優しそうな人

「ねぇ、カズとジュン、元気にしてる?」

「うん。元気にしてるよ
相葉くんが来るの待ってたんじゃない?」

「ほんとぉ?だったら嬉しいんだけどなぁ…
あっ!そうだ!今日は、友達も連れて来たんだ」

「お友達?」

「うんっ。どっちにするか迷ってるから、友達の意見も聞こうと思って…
この人、俺の友達の翔ちゃん!」

追いついた俺の肩に、雅紀が腕を回す

「こんにちは。雅紀がお世話になってます」

軽く頭を下げると、その人はまたふにゃんと笑う

「はじめまして、翔ちゃん
ここで動物たちの世話をしている大野です」

『翔ちゃん』…はじめましての人にいきなり呼ばれ、ちょっと吃驚

でも嫌な感じがしないのは、この人の、人の良さそうな笑顔のせいなんだろう

ストーリーメニュー

TOPTOPへ