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Happiness day

第27章 movin’ on

大野さんと一緒に、保護犬のいる部屋に入った

柵に囲まれた大きなスペースに20匹くらい
そことは別の小さな柵の中に、まだ幼そうな犬が5匹
その内の戯れあっている2匹に向かって、雅紀が声を掛ける

「カズ!ジュン!元気にしてたか〜?」

戯れあってた2匹の動きが止まり、こちらを向いた

薄茶色と茶色の2匹…

薄茶色の方は、色素が薄いのだろうか…瞳の色も薄茶色だ

茶色の方は、目の上に黒い模様があり、眉毛に見える
少し凛々しく見えるのは、その模様のせいだろうか

凛々しい方が『わんっ』と一鳴きした後、ピョンピョンと跳ねるように駆け寄って来る

顔は凛々しいけど、動きは子供そのものだ

「ジュ〜ン、いい子にしてたかぁ」

「わんっ!」

雅紀はしゃがみ込み、柵の中へ手を伸ばす
わしゃわしゃと頭を撫でてやると、子犬は尻尾をパタパタさせた

雅紀がもう1匹に視線を移す

「カズ〜。カズもおいで〜」

雅紀が呼ぶと、こちらはポテポテとゆっくり近づいて来た

雅紀がもう片方の手で頭を撫でる

「カズもいい子にしてたか?」

こちらは無反応?

でもないか…尻尾が小さくだけど、パタパタしてる

「翔ちゃん。この子たちがカズとジュン
この2匹のどちらを引き取るか悩んでるんだ」

パッと見、雅紀に懐いてるのはジュンの方だと思うんだけど…
雅紀が悩むと言うからには、何か理由があるんだろう

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