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Happiness day

第27章 movin’ on

「そろそろ時間だから、この子たち後ろの部屋に連れてくね」

「あ、もうそんな時間?
じゃあ翔ちゃん、外に出ようか」

今、ジュンたちがいる場所は、人と触れ合う為のスペースで、夜は寝る部屋が別にあるそう

大野さんたちスタッフは、これから全部の動物たちをそこに移動させる

「うん。大野さん、駐車場で待ってますね」

「ごめんな?みんなの餌の準備したら行くから、30分くらい待たせちゃうかも」

「大丈夫です。慌てないで来てください」

「大野さんが来るまで、俺も一緒に仲良く待っててあげるから」

雅紀の腕が俺の肩に回る

「んー、一緒に待っててくれるのはありがたいけど、仲良くするのはほどほどにね?」

その雅紀の腕を大野さんが掴み、そっと下ろした

「くふっ、わかってますって!
邪魔しないって言ってるでしょ?」

だから、俺にはわからないって…

「行こう、翔ちゃん」

「あ…う、ん…」

モヤモヤする…

ふたりが、俺のわからない事を楽しそうに話すから…

ふたりから視線を逸らすと、俺の指先に、大野さんの指先がそっと触れた

ハッとして大野さんを見ると、いつものようにふにゃっと笑う

「じゃあ、また後でね?」

「あ、はい…また…」

触れてる大野さんの指先に一瞬力が入り、きゅっと握られ離れて行った

何故だかわからないけど、ドキッとした

触れられた指先が熱くて、トクトクしてる…

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