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Happiness day

第27章 movin’ on

居心地が良すぎて帰るの忘れてた

流石にもう帰らないとな…

「大野さん、俺そろそろ帰ります」

「ご飯食べてってよ」

軽く言われ驚く

「いやっ!そんなつもりで来てませんからっ」

今日はサクラとモモを見て、すぐに帰ろうと思ってた…

だから、手土産さえ持って来なかったのに
飲み物を出され、その上、食事までなんて…

「この後、何か予定あるの?」

「ないですけど…でも…」

図々し過ぎるだろ…

「翔ちゃん、ひとり暮らしだよね?」

「はい…」

家庭環境は講習の申し込み書に記載してる…

「帰って、ひとりでご飯食べるんでしょ?」

「そうですね…」

料理は得意じゃないから、帰りにどこかで食べて帰ろうかと思ってたけど…

「今日はね、肉じゃがを仕込んであるんだ
ひとりじゃ食べきれない量作っちゃってさ
嫌いじゃなかったら、食べてってよ」

肉じゃが⁈好きだけど、普段あまり食べる機会がない
余るなら、いただいてもいいかな…

「え、と…じゃあ、お言葉に甘えて…」

「んふっ…よかった…
すぐに用意するから、待ってて?」

「はい…」

いいのかな、と思いつつ
嬉しそうな大野さんの顔を見ると、これでいいんだと思わせてくれる

動物たちの世話慣れしてる大野さんだから
きっと、人の世話をするのも、同じくらいの感覚なんだろう

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