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Happiness day

第27章 movin’ on

大野さんがキッチンへ行くと、サクラはピョンと床に降りた

それを待ってたように、モモが側に行くと、2匹で毛繕いするように舐め合う

そんな2匹の様子を見てるだけで、ほっこりする

心穏やかに過ごせる場所があるって、それだけでしあわせなことだよな…

ソファーから立ち上がり、2匹の側に行く

逃げられるかとも思ったけど大丈夫そう…
2匹とも舐めるのをやめて、俺の様子を伺ってるみたいだ

脅かさないように、ゆっくりとしゃがむ

「よかったね、お前たち…大野さんと出会えて…」

小さな声で話し掛けると、サクラが俺の手に擦り寄ってきた

俺の言った意味を理解してるとは思わないが、その行動が肯定してくれてるように見えた

「凄いな…」

後ろから聞こえた声に振り向くと、大野さんが立っていた

「大野さん?」

「いや、ここまで人馴れしたんだと思ったら、ちょっと感動…
サクラもモモも、ここに来るまでは、自分から人間に寄って行くなんてなかったから…
ようやく俺に慣れたかな、って感じだったのに、まさか初対面の人に自分から行くなんて…」

「もしかすると、大野さんの匂いがするからかもしれませんね…」

「俺の匂い?」

「えぇ…サクラが寄って来たのは、大野さんが触れた方の手だったから」

「それだけじゃないと思うけど…
おっと、いけね…肉じゃが、もうあったまったかな?」

大野さんが再びキッチンへ戻って行く

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