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今日は、サクラとモモが施設に戻る日…

この1週間…大野さんは、どんな気持ちで過ごしていたんだろう…

そして今、どうしているんだろう…

大野さんは『いつもの事』だと言うけど…
でもやっぱり、寂しいものは寂しいと思うんだ

2匹が新たな家族に迎えられるのは、嬉しいことだよ？

きっと、ちゃんとした飼い主に引き取られ、しあわせになれる

でもさ、人間の世界だって、娘が嫁に行く事はめでたいけど
離れる瞬間は寂しいものだって言うじゃん？

それと一緒のことじゃないの？

「あー！もぉー！」

「翔ちゃん⁈急にどうした？」

急に俺が大声を出したせいで
運転席の雅紀が、驚いてこちらを向いた

「あ…ごめん…ちょっと、考え事…」

大野さんが、ひとりで寂しい思いしてるんじゃないかと思うと、気が気でなくて
つい、声を発してしまった…

「大丈夫？俺で良ければ相談に乗るけど？」

この前、質問したって答え教えてくれなかったじゃん…

「いや…大丈夫…」

話した所で、どうにか出来る事じゃないし…

サクラとモモをずっと大野さんの所には置いておけない…

そもそも、大野さんがそれを望んでいない…

俺はただ、大野さんに寂しい思いをさせたくないだけなんだけど

そんな事、不可能だ…

「あー！もぉー！」

「…だから、話し聞くってば」

雅紀が運転しながら苦笑いした