テキストサイズ

Happiness day

第27章 movin’ on

「俺…帰ります…
ごめんなさい…突然お邪魔して…」

立ち上がろうとした俺の手首を大野さんが掴んだ

掴まれた手首が熱くなる…

「なんで謝るの?
翔ちゃんが来てくれたから、俺、もう大丈夫なんだよ?」

ふにゃっと笑ったその顔は、いつもの大野さんの笑顔

でも、なんで?

「あの…大野さん…恋人が来てくれたんじゃないんですか?」

「ん?俺、恋人いないよ?」

「でも『一番傍にいて欲しい人』って…」

「だから翔ちゃんが来てくれたでしょ?
まさか、来てくれるなんて思ってなかったから、吃驚しちゃったよ」

え…ちょっと待って…大野さんの『傍にいて欲しい人』って、俺、なの?

「なんで、俺?
俺、知り合ってからそんなに経ってない…
大野さんと親しい人なんて、もっと他にいるんじゃ…」

「親しい人はいるかもしれないけど
好きな人は翔ちゃんだから…
出会ってからの時間は関係ないんだよ」

ニコッと笑った大野さん

そっか…好きだから傍に…って…えっ⁉︎

「好きっ⁈大野さんが俺をっ⁈」

「うん。俺が翔ちゃんを好き」

掴まれていた手首がゆっくりと引っ張られ
俺は、また大野さんに抱きしめられた

「翔ちゃん…好きだ…
ずっと傍にいて欲しい…」

甘く囁かれた声に、顔と胸が熱くなる

ストーリーメニュー

TOPTOPへ