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Happiness day

第27章 movin’ on

俺の舌に絡みついては離れる大野さんの舌…

その舌を俺は夢中になって、追いかけた

「んっ…ぅ……んんっ…」

ピチャピチャと動物たちが水を飲むような音が耳に響く…

どれくらい続けていたんだろうか…
お酒に酔ったみたいに、ふわっと気持ち良くなり、体から力が抜けた

「はぁ…はぁ…」

呼吸が乱れ、頭の中がボーッとする

「翔ちゃん、大丈夫?」

瞼を開くと、目の前には大野さんの優しい笑顔

「ん…大、丈夫…」

ごくんと唾を飲み、息を整えた

「それで、わかった?」

「あ…はい…大野さんはやっぱり、またたびでした」

「へっ⁈またたび⁈」

目を見開き驚いた大野さん…

そりゃそうだ…まさか、自分が『またたび』と言われるなんて思ってもなかっただろうから

「俺…大野さんから、ずっと不思議なパワーを感じてたんです」

「え?俺から?
そんな事、言われたことないけど…」

「でも、俺は感じてた…
猫にとってのまたたびみたいな効果があって
その特殊な力のせいで、どんな動物…
ううん…動物だけじゃなく、どんな人も大野さんに懐ついちゃうんだって…」

「んー…それはね?みんなが感じる物じゃなくて、翔ちゃんだけだと思うよ?」

「え?俺だけ?」

「うん。俺が翔ちゃんに感じてたみたいに」

「大野さんが俺に?」

「そう…俺も翔ちゃんに惹かれる…」

大野さんが俺の耳元に顔を寄せ、クンクンと鼻を鳴らす

「翔ちゃんも、俺にとってはまたたびだね」

「あっ…」

耳に掛かる熱い息にゾクっとした
耳元から離れた大野さんが、真正面から俺を見つめる

「翔ちゃん、好きだよ…」

大野さんから与えられる熱で、体が溶けて崩れ落ちそう…

「おれ、も…すき…」

崩れ落ちる前に、大野さんに抱き寄せられ、唇を塞がれた

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