テキストサイズ

Happiness day

第27章 movin’ on

センターの終了時間までジュンとカズと過ごし、雅紀と外へ出た

「明日も来る?」

一応雅紀に確認すると『もちろん』と頷いた

いよいよ来週は譲渡会だ

センターの職員の方たちが犬と貰い手の相性を見て決めるそうだが
雅紀の場合は大丈夫だろう…

なんせ毎週末ここに訪れ、カズもすっかり懐いているんだから

「じゃあ、また明日ね?」

雅紀が車に乗り込む

「うん、また明日…」

雅紀の車を見送って、俺はまた、大野さんの家に向かった


先程と同じような流れで大野さんの部屋の前まで辿り着く

違うのは、笑顔の大野さんが『おかえり』と、出迎えてくれたこと

「…ただいま」

ちょっと照れる…

「ジュンとカズ、元気にしてた?」

「はい…あ、でも俺が行ったら、珍しくカズまで駆け寄って来て
なんでだろうと思ったら、雅紀が『大野さんの匂いがするからだ』って」

「あー…思いっきりマーキングしたからなぁ…
カズとジュンなら、すぐにバレる」

「雅紀にもすぐにバレましたけど…」

「相葉くんは、動物並みに鋭いとこあるから」

「ふふっ…ですね」

リビングに入ると、段ボールや、猫用トイレが無くなっていた

「片付け終わったんですね…」

「ん…次の子たち預かるまでは、必要ないからね」

「また、預かるんですか?」

「うん。気になる子がいたら、預かると思う」

「そうですか…」

また別れの時に寂しい思いするってわかってても預かるんだなぁ…

「大丈夫。俺には翔ちゃんがいるから」

俺が何を考えていたのか、大野さんにはお見通しか

「はい。大野さんが寂しい時は、俺が慰めに飛んできます」

大野さんは嬉しそうに微笑んだ

ストーリーメニュー

TOPTOPへ