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Happiness day

第27章 movin’ on

「なんで心開いてなかったの?」

「祖母の件があってから、俺の発言のせいで、誰かを困らせたくない、って思いが強くなって…
発言する言葉を考え過ぎちゃう傾向があったんです
それって、自分の思いを素直に言えないって事じゃないですか…
おそらく、付き合ってた人たちは、俺の一歩引いてるような言葉がわかったんだと思います
思った事を言わないから、なかなか距離が縮まらない感じもあっただろうし…」

「そう?俺はそんな感じしなかったけど?」

「大野さんは、またたびだって言ったじゃないですか
自分でもわからない内に惹かれて、擦り寄っちゃったんでしょうね」

大野さんに触れられて『俺大野さんが好きなんだ』って気付いた…

それだってなかなか気付けなくて、キスしてようやく気付いたんだけど

思い出して、笑みが溢れる…

雅紀が『すぐにわかる』って言ってたの、こういう事だったんだな…

大野さんに触れられて熱く感じるのは、好きな人に触れられてるから

「なに笑ってるの?」

「え?…あっ…」

気が付いたら、大野さんが俺のすぐ傍に移動して来てて…

「そんな可愛い顔して笑ってたら、襲っちゃうよ?」

大野さんの手が頬を撫でる

「ふふっ…はい、襲ってください」

俺は、大野さんになら、素直に自分の想いを伝えられるんだ…

またたびに酔った猫…だから…

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