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Happiness day

第27章 movin’ on

優しく微笑んだ大野さんが、俺の頬に手を添えたまま近付いて来たから
俺は瞼を閉じて、ソレを待ち受ける

温かくて柔らかい…

大野さんの唇が、俺の唇を何度も喰む

キスを受け止める立場になったのは、もちろん大野さんが初めて

愛情を与えられてる感じが強くて、なんか新鮮…

気持ち的にも受け身になって、全てを任せてしまおうと思える…

ってか、思考力が奪われて、流されているに近いのかも…

それでも、その感覚が気持ちいいから
大野さんになら、委ねてもいいや…

「ふっ…ぁ…」

酸素が上手く取り入れられないようなキスから解放され、大野さんに凭れ掛かる…

大野さんは俺を抱きしめ、耳元で囁いた

「ベッド、行く?」

大野さんの艶のある声に、ドキンと、心臓が痛いくらいに鳴る
一瞬間を置いて、俺は小さく首を縦に振った

「じゃあ、いこっか」

大野さんが先に立ち上がり、手を差し出してきて
その手を握ると、大野さんが引き上げてくれた

手を引かれて歩くのも初めてかも…

『襲ってください』なんて、自分でも言ったのに
いざとなると、恥じらいが出てしまう

俯きがちに寝室までついて行くと、大野さんがクルリとこちらを向いた

「翔ちゃん、ほんとにいいの?
男とスルの初めてでしょ?
始まっちゃったら、俺、止められないかもよ?」

それはね、俺も男だからよくわかる

だから…

「大丈夫です。俺も止める気はないんで」

敢えて笑顔でそう告げると、大野さんが優しく抱きしめてくれた

「翔ちゃん…大切に扱うから、心配しないでね?」

大野さんの腕の中で頷いた

言われなくてもわかってますよ?
大野さんの動物に対する愛情を見てれば、何も心配する必要なんてないって事…

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