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Happiness day

第27章 movin’ on

「大丈夫そうだな…指増やすね?」

大野さんの指がズルっと抜けていく

「は、ぁんっ…」

その感覚もキモチイイ?

「あれ?翔、もしかして感じてる?」

初めてなのに感じてるなんて…

恥ずかしくて、思わず首を横に振った

「ちがっ…」

「なんだ、違うのか…残念…」

大野さんの眉毛が下がる

「残念…なの?」

「んー…まぁ、最初からは無理だと思ってたけどさ
翔には気持ちよくなってもらいたいから…
だからもし、翔が感じてくれてるなら、嬉しいなぁ…てね」

そうだよ…大野さん、俺のこと大切に扱うって言ってくれたじゃん…

初めてなのに感じちゃうの、おかしいと思ったけど
そうなるように、大野さんが頑張ってくれてるからなんだ…

「ごめんなさい…」

「ふふっ…謝ることじゃないだろ?
慣れれば、その内きっと…」

「違うっ」

大野さんの言葉を遮った

「翔?」

少し驚いた顔をして俺を見つめる大野さん…
その大野さんをしっかりと見つめ返した

「違うの…本当は気持ちよかった…
でも、感じてるって思われるのが恥ずかしくて…嘘、吐きました…
ごめんなさい…」

大野さんの顔がふにゃんと崩れる

「だから、謝ることじゃないだろ?
嬉しいこと言ってくれてるんだから…」

俺を見る大野さんの目が優しくて…
この人には、本心で向き合っていいんだって思った

恥ずかしいからとか、おかしいんじゃないかとか考える必要ない

この人は、ありのままの俺を見せても揶揄ったりしない

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