Happiness day
第27章 movin’ on
玄関ドアを見つめる智の隣に、寄り添うように立つ
「行っちゃったね…」
「うん…」
「何匹目?」
「わかんね…」
嘘ばっかり…ここから巣立って行った子たちの事は、全員覚えてるクセに
「大丈夫?」
「何が?」
「寂しいんでしょ?」
さっき、預かっていた猫を施設の人が引き取りに来た
「お互い様だろ?
それに俺には翔がいるから大丈夫」
智の手が俺の手を握る
「ワンッ!」
「ふふっ…ごめんごめん、ジュンもいたな」
足元を見下ろせば、ジュンが尻尾を振りながら俺たちを見上げる
譲渡会でジュンを引き取ることが出来た俺は、その数ヶ月後、ジュンと共に智の部屋に越して来た
その後も智は、何匹か保護猫を預かり、その度にこうして寂しそうに見送っている
俺が来るまでは、独りでこうしていたのかと思うと心が痛い…
「それに、寂しがってる暇なんてないだろ?」
「え?」
「ワンッワンッ!」
ジュンが玄関ドアに向かって吠えた
それに応えるように『ワン』と一度だけ鳴き声が聴こえる
俺が智の部屋に越してすぐ、雅紀もここに越してきた
いつでもカズをジュンに会わせてやれるように、と…
そして今日は、一緒にドッグランに行く約束をしている
「ジュン、すぐに準備するから、ちょっと待ってて」
「準備は俺がして来るから、翔は玄関開けてあげて?」
「ありがと、智」
「どういたしまして、と、その前に…」
部屋に戻ろうとした智が俺の手を引き、唇を合わせて来る
「んっ…」
しっかりと舌を絡ませたキスをして、解放された
「取り敢えずの元気注入?あとは夜、じっくりとお願いね」
ふにゃっと笑う智
「もぉ…」
顔と体が熱い…
「親が仲良いと子供は嬉しいよな?ジュン」
「ワンッ!」
俺だって嬉しいよ
でも、時と場合を考えて欲しい
今から雅紀とカズに会うのに…
「行っちゃったね…」
「うん…」
「何匹目?」
「わかんね…」
嘘ばっかり…ここから巣立って行った子たちの事は、全員覚えてるクセに
「大丈夫?」
「何が?」
「寂しいんでしょ?」
さっき、預かっていた猫を施設の人が引き取りに来た
「お互い様だろ?
それに俺には翔がいるから大丈夫」
智の手が俺の手を握る
「ワンッ!」
「ふふっ…ごめんごめん、ジュンもいたな」
足元を見下ろせば、ジュンが尻尾を振りながら俺たちを見上げる
譲渡会でジュンを引き取ることが出来た俺は、その数ヶ月後、ジュンと共に智の部屋に越して来た
その後も智は、何匹か保護猫を預かり、その度にこうして寂しそうに見送っている
俺が来るまでは、独りでこうしていたのかと思うと心が痛い…
「それに、寂しがってる暇なんてないだろ?」
「え?」
「ワンッワンッ!」
ジュンが玄関ドアに向かって吠えた
それに応えるように『ワン』と一度だけ鳴き声が聴こえる
俺が智の部屋に越してすぐ、雅紀もここに越してきた
いつでもカズをジュンに会わせてやれるように、と…
そして今日は、一緒にドッグランに行く約束をしている
「ジュン、すぐに準備するから、ちょっと待ってて」
「準備は俺がして来るから、翔は玄関開けてあげて?」
「ありがと、智」
「どういたしまして、と、その前に…」
部屋に戻ろうとした智が俺の手を引き、唇を合わせて来る
「んっ…」
しっかりと舌を絡ませたキスをして、解放された
「取り敢えずの元気注入?あとは夜、じっくりとお願いね」
ふにゃっと笑う智
「もぉ…」
顔と体が熱い…
「親が仲良いと子供は嬉しいよな?ジュン」
「ワンッ!」
俺だって嬉しいよ
でも、時と場合を考えて欲しい
今から雅紀とカズに会うのに…