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Happiness day

第28章 Crasy Moon ~キミ•ハ•ムテキ~

「くしゅんっ!」

突然聞こえたくしゃみに翔を見れば、ぶるっと震えていた

「ワンピース一枚じゃ寒いよね?
ペンションに帰ろ?」

「でも…絵は?どうするの?」

「もう大丈夫…
翔の色んな表情を見せて貰ったから
あとはイメージを膨らまして描けるよ」

笑顔も泣き顔も困った顔も…そして、恍惚とした顔も…

これだけの材料があれば、依頼主のお気に召すモノが描けるだろう

「そう?それならいいんだけど、遠慮はしないでね?俺なら大丈夫だから
今日一日は、モデルをやるって約束だったし…」

そう言ってくれるのはありがたいけど
やっぱりこれ以上、寒空の下、薄手のワンピースでいさせるのはねぇ…

表紙に描くのは、月明かりの下、ずぶ濡れになってるヒロインの姿

月明かりの下での翔は見られたし
強いて言うなら、見てないのはずぶ濡れの姿だけど

流石に今の季節それをさせたら、凍え死ぬ…

「いや、本当に大丈夫だから戻ろう」

帰りを促す為に、翔の手を取り歩こうとすると、やはりその手は冷え切ってて…

「ほら、こんなに冷えてんじゃん!
早く帰るよ」

スケッチブックと椅子を小脇に抱え、翔の手を引きペンションに戻った

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