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Happiness day

第28章 Crasy Moon ~キミ•ハ•ムテキ~

部屋に入り、エアコンをつける

それでもすぐに部屋の中が暖まることはなくて、翔がまたぶるっと震えた

「そうだ!お風呂に入っちゃえば?
その方が早く温まれるんじゃ無い?」

「うん。そうしようかな…
潮風に当たって、顔もガピガピするし
もう、メイク落としていいんだよね?」

「うん、大丈夫。ゆっくり温まって来て」

「ありがとう。いってきます」

「いってらっしゃい」

翔を見送って、ソファーに腰を下ろし
今のうちに、さっき見た様々な翔の表情を描き留めておこうと、スケッチブックを開く

タブレットには収めてないからな
記憶が薄れる前に描いておきたい

泣かせてしまったのは申し訳ないけど、泣き顔も綺麗だったよな…

でも、やっぱり一番は、キスした後に、俺を見上げていた翔の姿

可愛いかったよなぁ…ふにゃんって座りこんじゃってさ
瞳もうるうるしてて…あんなにそそられたの初めてかも…

家の中だったら、押し倒してたな…ってか、浜辺でも押し倒してたか

外だったから、あそこで止まれたけど
部屋の中だったら、どうなってただろう…

あのまま…

「ごめんね、待たせて
おかげで生き返ったよ」

「だろ?かなり冷えて…」

背後から聞こえた声に、返事をしながら振り返り、言葉を止めた

今なら、押し倒したあと、止まれない自信がある

水も滴るいい女…いや男って、本当にいるんだ…

髪の毛の先から雫を滴らせている翔は、やたらと艶っぽくて
見ているだけで、ドキドキする…

成る程…小説の主人公は、こんな気持ちだったのか

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