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Happiness day

第28章 Crasy Moon ~キミ•ハ•ムテキ~

タオルで髪を拭きながら、翔が俺の隣に座った

「どう?描けそう?」

「あっ…うん、描けそう」

今の翔を見て、イメージが湧いた

「見せて貰ってもいい?」

「どれもまだ下絵しか描いてないけど、それでいいなら…」

「うん、いい。どんな風に描いて行くのか見てみたい」

「それなら、どうぞ」

スケッチブックを翔に渡した

「ありがとう」

翔はスケッチブックを手にすると、表紙を捲る

「へぇ…本当にひとつのパーツだけ描いたりしてるんだ」

「…うん」

いつもはこんな描き方しないけど、翔の場合は特別…

なかなか納得できる唇が描けなくて、そこだけ何度も描いた

このぷっくりと厚みのある唇を、よりリアルに描きたい

もはや、表紙の為じゃなく、自分がよりリアルな翔を描きたくなっていた

メイクを落とした翔の唇は、ルージュの色じゃなく、自然の色なんだろうけど
お風呂上がりで、血色が良く、艶々してて
メイクをしてる時より、より触れてみたくなった

「凄いね!まだ下絵の段階って言っても、本当に上手!
って、俺、プロ相手に失礼な事言ってるね」

笑顔の翔がスケッチブックから目を上げ、俺を見ると不思議そうに首を傾げた

「…智?どうかした?」

「ん…どうかしてる…」

こんなに触れたくなるなんて…
俺、相当どうかしてる…

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