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Happiness day

第1章 いつまでも

智くんが用意してくれた料理を食べながらシャンパンを飲む

シャンパンがなくなると今度は冷酒を出してきた

「うんっ、これも美味しい」

「だろ?翔くんの好きそうな味だと思って選んだんだ
俺もだいぶ翔くんのことわかってきたと思わない?」

「でも 元々さ、俺たち好きな味覚は近いよね?」

「うん。昔から『あ、これうまっ!』ってやつに出会うと翔くんに食べさせたいって思ってた」

「ほんと?俺も思ってたよ?
『あ〜、智くんに食べさせたら喜びそう』って…
買って帰ろうか迷うんだけど、すぐに渡せないことが多いから諦めて帰って来てた」

そう言うと 智くんは急に真顔になった

「だったらさ…俺たち一緒に暮らさない?」

「…え?」

「一緒に暮らせば迷わず買って来られるでしょ?」

「それはそうだけど…でも…」

そんな理由で同居なんて…

「それに最近思い始めたんだよね…
まぁ、最近でもないのかも知れないけど

『zero』を観終わって…
翔くん 今から暗い部屋に帰るんだよなぁ…って思うと 家で起きて待っててあげたくなるの
実際 夜中何度ここに来ようと思ったか…

でもさ、翔くん気遣い屋さんだから
それやると『そんなことしなくていい』って言いそうじゃん
だったら一緒に住んじゃえば そんな気遣いしなくて済むでしょ?」

確かにそう言うだろう…
でも一緒に暮らすなんて、それこそ智くんに負担が掛かる

智くんの自由を奪う気はないけど
誰かと一緒に暮らすって、それだけで少なからず生活のリズムが変わるから

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