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Happiness day

第17章 Bittersweet 

「なら、最初から言ってくれたらよかったのに」

「ん?まぁ、そうなんだけど…」

告白が上手くいかなかった時に、そのあと傷心を抱えたまま初日の出を一緒に見に行く勇気は流石になくて
初詣を誘った時には、そこまでの約束は出来なかった

「あっ、ケーキ来た」

店員さんがふたつのケーキをトレーに乗せてこちらに向かってくる

翔くんの瞳が、またキラキラと輝き出した

「おまたせしました。チーズケーキのお客様」

「はいっ」

翔くんが小さく手を挙げて、嬉しそうに返事する
やっぱスイーツを前にした翔くんは、一段と可愛いよなぁ…

俺、まだスイーツには勝ててない?

「智くん?どうしたの?食べないの?」

フォークを持った翔くんが不思議そうな顔で俺を見てた

「あ、食べるよ。翔くん、ひとくち交換しよっか」

「えっ!いいの⁉︎」

「ふふっ、いいよ。だって、これも食べたかったんだろ?」

俺の前にはモンブラン

「なんでわかったの⁉︎」

驚く翔くん

「なんとなく?」

ホントはね?
メニューを見てる時、翔くんの目がチーズケーキとモンブランを行ったり来たりしてた
だから俺は、翔くんがチーズケーキをオーダーしたのを見て、モンブランをオーダーしたんだ

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