
Liar × Lover
第5章 Nikolaschka
「 やっほ。今朝ぶりだね。」
ヒラヒラと右手を振りながら
誠斗さんが言った。
「 こんなとこで何してるの?」
彼の質問に私は一瞬答えることを躊躇った。
「 ちょっと… 颯斗と待ち合わせしてて…… 」
「 あぁ、アイツと待ち合わせしてるのか 」
私は小さくコクッと頷いた。
「 颯斗と… きちんと話をしようと思って。
お互いゆっくり話せる機会が無かっ……… 」
その時、私の視界に
ある光景が飛び込んできた。
目の前にある交差点。
その交差点の横断歩道を挟んだ向こう側に
颯斗らしき男性が信号待ちをしている。
その隣には
見覚えの無い女性が立っていた。
その女性は颯斗と腕を組み
楽しそうに会話をしながら笑っている。
