I・I・NA・RI
第1章 二人の秘密
「もう、もうダメです…。」
必死で押し寄せる快感に抗うことしか出来ない。
「まだだよ。菜乃、敏感過ぎる。」
彼が微笑んでいる。
大好きな彼に久し振りに逢えた歓びが押し寄せる。
「いい子にしてた?」
私は首を振った。
「してない。逢いたくて気が狂いそうだった…。」
「ははっ、毎日顔は見てるだろ?」
彼は可笑しそうに笑った。
「でも…。」
髪を優しく撫でる彼。
「…して欲しかったんだ?」
「うん…。」
頬に軽くキス。
そして唇に優しいキス。
「いい子だ。」
彼がブラウスのボタンを外す。
「まぁ、いい子でも悪い子でもご褒美あげるよ。」
ブラウスを机に置いた。
「今日は遅くなっていいんだろ?」